バレンタインデー

もちろんお兄ちゃんにチョコを渡します!!!
「ただいま〜、お兄ちゃん」
が、返事がありませぬ!
「(あれ?いつもなら『おかえり!』って返事してくれるお兄ちゃんの声が、今日に限って聞こえない。出かけてるのかな?)」
と、思ったら、お兄ちゃん寝てました!
「あ(お兄ちゃん、今のソファでうたた寝してる。そっと近づいてみても、目を覚ます様子はない。かなり眠りが深いみたい。・・・・そうだ、眠ってるお兄ちゃんの手の上にチョコ置いておこうかな?どんな反応なのか見てみたいし。ふふ、これでよしっと・・・・・。しかしよく寝てるなぁ・・・。)」
「・・・・んー・・・・」
「(うわっ、起きそう。どうしよう、いや、別に焦る必要はないんだけど・・・。じっと寝顔見てたのがバレたら恥ずかしいよね・・・)」
選択〜!
・「急いで部屋に戻る」
・「とっさに寝たフリをする」

寝たフリします!
「(いいや、私もソファで寝たフリしちゃえ!)」
「・・・あれ?ヒトミ・・・?」
「(私ってば、何やってるのよ・・・・。変に狸寝入りなんかしちゃったもんで、余計に目を開けにくくなっちゃったじゃないっ!!隣では、お兄ちゃんがいよいよ起き上がろうと身じろぎする音がして・・・・。)」
がさがさっ
「(あ、多分、膝の上のチョコに気付いたんだ。お兄ちゃんはそのままチョコの包装をほどいているみたい。・・・喜んでるかな・・・?)」
うおっと!コントローラーぶるぶるっと振動きたぁっ!(笑
「(お兄ちゃんが立ち上がったのがわかる。そのまま気配は私の正面に・・・。)」
ドキドキ(*´Д`*)
「(バ、バレた・・・かな・・・眠ったフリしてるの・・・。)」
「ヒトミ・・・このチョコ、返せって言ってももう返さないぞ?」
「・・・・・・」
「兄ちゃんは、ヒトミがいるだけで充分だって、そう思ってたんだけどな」
「(優しく頭をなでる感触。そして、お兄ちゃんは静かに居間から出て行ったみたい。)」
バタンッ(戸が閉まる音)
・・・なんだ頭撫でるだけかよ(マテ
「えっと・・・・(なぜか耳までかーっと熱くなるような恥ずかしさがこみ上げてくる。お兄ちゃん・・・・)」